「2024年6月インタビュー実施」
チームワークなしには成り立たない
就職活動中、いろいろな業界を調べている中で、ふと目に留まったのが建築業界。世の中には建物が溢れているのに、どんなふうに建てられているのか想像もつかない。そんな興味を入り口に深堀りしていくなかで、心は少しずつ傾いていったんです。建築業界の会社をいろいろと見比べるなかで、頭ひとつ抜けていたのが棚田建材でした。業界では珍しい完全週休2日という条件面だけでなく、ホームページから伝わってくるハツラツとした明るさも印象的だったんです。建築に縁がなかった自分にはまっさらな状態からのスタートでしたが、だからこそ新しく得た知識が体感を伴った理解へと変わっていくプロセスがおもしろかったですね。ターニングポイントは、入社2年目にかなり大規模な改修工事の責任者を任せられたとき。自分ひとりの力でやり遂げたわけではないけれど、それまでに蓄積した経験や知識、お客さんや職人さんとの信頼関係など、いろんな要素がうまく噛み合ったことでスムーズに終えられたんです。ただ、そこで得た自信は、次の現場でものの見事に打ち砕かれました。提出書類に対する要求水準が非常に高く、自分のレベルではまったく歯が立たないことを思い知らされたんです。いわば何回追試を受けても赤点のテストを返されるようなもの。先輩を頼ったりしながら、一つずつ求められていることに応えていくしか方法はなかったですね。4年目を迎えた今、思い描いていた通りに事が進んで無事に終わったときにやりがいを感じます。うまい具合に戦術がハマった気持ちよさというんでしょうか。施工管理は個人単位で現場を受け持つのですが、社内のメンバーとのつながりや取引先の所長、職人さん抜きには成り立たない仕事です。サッカーでも縁の下の力持ち的ポジションが好きだった自分にとって、似たような立場で仕事ができるのは楽しいところ。今後は、新入社員が一人前になるまでの期間を短縮したり、早期離職を未然に防いだりできるように、みんなの経験知を集約してマニュアル化する取り組みを率先して進めていきたいと考えています。
苦労がなければ喜びもない
昔の僕を知っている人なら、僕の変貌ぶりに驚くかもしれません。部活が嫌で、帰宅部だった中高生時代。勉強するのが嫌で2回留年をした大学時代。理由は単純で、とにかくしんどいこと、努力することが嫌いだったんです。かといって無気力に生きていたわけではなく、プロサッカーチームのヴィッセル神戸の応援には熱をあげていました。ホームゲームはもちろん、札幌や仙台など遠方で行われるアウェイゲームも含めて、全試合行ったるぞという気概があったくらいで。ファン歴は約 15 年。はじめて試合を観た小学校4年生のとき、J2 に落ちた年の開幕戦で格下相手にボロ負けした悔しさと、その翌週は勝ったときの爽快感。そこで感情を思いっきり揺さぶられたことがきっかけです。どれだけ負けが込んでも昨年の J1 初優勝や、戦術がはまって理想的な勝ち方をした試合など、どこかでは必ず報われる快感がある。何度となく悔しい気持ちを味わうからこそ、たまに訪れる喜びはより深いものになるんです。そう考えると、今の仕事も似たところがあります。しんどいときによく、同僚の人たちと「どれだけしんどくても終わらない現場はない。なんだかんだで竣工は迎えるもんや」と励まし合っていますが、そう思うと前向きになれますし、苦労が報われた喜びも感じられるんですよね。
責任を持つのも悪くない
思うに僕はずっと、責任を負う状況から逃げる人生を送っていたんだなと。端からやらないと決めたら、そこに責任も発生しませんからね。努力や日頃の積み重ねが成果に結びつく達成感や快感をほとんど知らないまま、25 年近く生きていたわけです。そんな自分も社会人になり、責任から逃れられない立場を経験したことで、責任を持って何かをやるのも案外悪くないと気づきました。しんどいことにも向き合った結果、自分に対する信頼を誰かの言葉や態度から感じたりすると、この人を裏切られへんという気持ちが湧いてきます。少なくとも責任をネガティブに捉えなくなったのは、僕の成長かなと思いますね。
プライベートは何をしている?
ヴィッセル神戸が負けてから勝つまでは、スポーツニュースを一切見ません。スマホを触る時間も格段に減ります。YouTube を開いたりすると、思い出したくない僕の意思に反して、試合のハイライトがおすすめにあがってくるからです。