「2024年6月インタビュー実施」

半端な姿勢が、もろに結果に表れた

棚田建材に入社を決めた主な理由は2つ。まずは面接してくれた人たちの年齢が近く、この会社での将来をイメージしやすかったこと。歳が近いのにブレない自分の軸を持っていて、戦っているように感じたこと……とカッコつけたことを言いましたが、今振り返ればそう思うだけで、当時はフィーリングで決めたんだと思います。何となくいい印象は持ったものの、明確な意志やビジョンを持っていたわけでもないので、入社当時はいいかげんでした。嫌ならいつでも辞めればいいと思っていたから、向上心も湧いてこない。いわば、セーブできないゲームをやっているようなもの。どれだけ情熱を注いでも、途中でリセットされてまた1から始めなきゃいけないのなら本気でやらないじゃないですか。当時の僕は、全然努力もしないくせに態度だけは一丁前のまさに“勘違い野郎”でした。そんな僕が変わったのは3年目に入った頃です。地道に努力している同期のメンバーと、斜に構えて適当に流しているだけの僕。もちろん自業自得なんですが、両者の間に歴然とした実績の差が生まれていると気付いたとき、むしょうに腹が立ったんですよね。

自分を低く見積もっていた

そこで心を入れ替えてからは、見える景色が一変しました。某大学キャンパスの現場を担当した際に、大学の先生と対等に話すことができたのは新鮮な体験でした。こちらが真摯に向き合えば、真摯に答えてくれる。そう気づけたのと同時に、自分を低く見積もっていたことに気付かされたんです。

仕事で戦っている自分に自信を持てなければ私生活でも胸を張れない。やらなあかんことから目を背けていたらあかん。そう思って自分を改めようと決めたタイミングで部署異動になり、自分の個性や強みを発揮しやすい仕事を任されたことも手伝って、新たな人生へと向かうことができました。 改めて整理すると、この会社で個人として戦わなければならない局面に立たされたとき、何者でもない自分と向き合わざるを得なくなったんです。施工管理という立場に物を言わせ、職人さんに対して傲慢に振る舞う自分がいたのも、自信のなさの裏返しだったんだと思います。

自分で背負う方が仕事は楽しい

今、取り組んでいる常駐管理の仕事は、建物の管理人や住人だけでなく、管理会社の人や職人とも連絡を取りながら進めていく必要があるので、コミュニケーションの量が圧倒的に増えます。たとえば工事によってご迷惑をおかけする可能性があること、協力していただかなくてはならないことを住民さんに伝えたとき、相手がどういう反応をするかはこちらの態度次第。住民さんは工事の専門的な内容がわからないので、この人が現場を仕切ってるのなら大丈夫だろうと安心できるような立ち居振る舞い、たとえば笑顔で接する、目を合わせてハキハキ話すといった基本的なことを心がけています。現場の責任者という立場を負担に感じる人もいるかもしれませんが、僕は楽しんでいます。何か問題が起こったときは自分で解決、対処しなければならないけれど、一から十まで自分で考えてやる方がやりがいを感じられる。それに伴う責任やプレッシャーはかかってこい、という感じです。

プライベートは何をしている?

だいたい週4〜5回の頻度でジムに通って、身体を鍛えています。誰も口には出さないでしょうが、現場で一番若いような僕がヒョロヒョロで頼りない雰囲気だったら、仕事にも影響するはず。建築現場は男社会的な部分があるからこそ、こいつは違うなと思わせるような空気感は大切だと思っています。