「2024年6月インタビュー実施」
頑張りがもろに反映される
もともと堅実なところがある僕が、まったく経験も知識もない建築業界の会社を転職先に選んだのは、施工管理の資格を取得して、手に職をつければ不安なく生きていけるだろうと思えたからです。
大学時代はフランス語を自分なりに真剣に勉強していましたが、仕事の幅は狭く、翻訳や通訳をやれるほどのスキルがあるわけでもない。現実的に自分がやれることを見極めたとき、建築業界は努力次第で道を切り開ける分野のように思えたんです。
入社後、上司や先輩を見ていると皆忙しそうで、すごいなと思う反面、自分にやれるのか心配になったことはあります。でも自分で現場を担当し始めると、段取りをしっかりして早めの行動で対処していけば大丈夫だと前向きに捉えられるようになりました。
人に動いてもらう施工管理職はよくも悪くも、自分の仕事がまわりに与える影響が大きい立場です。前職との比較でいうと、営業は愛嬌や人柄で乗り切れる面もある一方で、施工管理は元請けさんや職人さんとの信頼関係を構築しつつも、段取り良く物事を進める実務能力が欠かせません。与えられる裁量が大きいぶん、自分のやったことがもろに成果として表れる仕事だと思います。
心配事の9割は起こらない
自己分析するに、僕の性格は堅実:冒険=6:4くらい。前職は誰もが知る大きな組織で働いていましたが、今後衰退していく印象があったことも転職理由のひとつです。対して建築関係の仕事はなくならないだろうし、棚田建材も勢いがあって、成長性にあふれている。停滞やマンネリは苦手で、厳しくとも成長している実感を得られる方が好きな僕には合っていると思います。
僕は飄々としているように見られるのですが、昔からストレスがたまるという感覚がわかりません。といっても鉄の心臓を持っているわけじゃない。施工管理の仕事は、発注した材料で足りるのか、予定通り作業は終わるのかなど、心配しだすとキリがありません。工事が始まってから問題が起きてその対応に追われるのは避けたいので、事前に最大限、問題の芽は摘んでおくんです。
少し煮詰まったときは、本で見つけた「心配事の9割は起こらない」という一節を思い出して、ふっと息を抜くようにしています。実際、「人事を尽くして天命を待つ」じゃないけれど、やれることを最大限やったのなら、後はなるようになれと思うしかない。自分が気楽に構えておくことが、まわりにもいい影響を与えると思っています。
プライベートは何をしている?
土日は会社の同僚や友達と飲みに行ったり、サウナやスノーボードに行ったり。読書も好きで、以前は自己啓発本が好きで、よく読んでいました。今でも印象に残っている本をひとつあげるなら『話を聞かない男、地図を読めない女』でしょうか。なるほど、男女の違いが面白いなと思いました。