2024年6月インタビュー実施
仕事のおもしろさに気づいた博物館の現場
僕の仕事人生において大きなターニングポイントとなったのは、2023年、社会人6年目で任された博物館の仕事です。前例のない工事で、現場で何か問題が起こったとしても誰にも頼れない。そんな状況に立たされたとき、真剣にやらないとヤバいという危機感がせり上がってきたんです。
スポーツでも仕事でも、中途半端にできるとプライドが邪魔して、思い切って突っ込めなかったりするものですよね。でもその仕事は完全に未知の領域。知ったかぶりをしても絶対どこかで化けの皮は剥がれるんだから、捨て身でぶつかるしかない。そう思い定めて臨みました。
その仕事を通して得た一番の収穫は、この仕事って結構おもしろいなと思えたこと。たとえば、防水剤がどのように固まっているのか、仕組みを解明したくなって自主的に調べたり、職人さんやメーカーの担当者に聞いたりするようになったんです。
仕事でも、お客さんの要望や起こっている問題に対して、より迅速に対処、対応するようになりました。それまでは責任感が乏しかったというか、自分がダメでも会社が尻拭いをしてくれるだろう、という甘えが心のどこかにはあったんだと思います。
「仕事=義務」としか捉えていなかった
僕自身、興味があることは追求する一方で、興味がないことは全然頑張れない性質です。大学卒業後、とりあえず就職しなければ、という程度の気持ちで目的意識なく働き始めたので、心が折れかけたことは何回かあります。ただ、この会社で、何も結果を残さないまま辞めたくない。そのプライドで何とか繋ぎ止めていたところはありますね。
加えて、社内の人たちの人柄がいいんですよ。大学の同級生などに聞いても「なかなかそんな会社ないで」と言われるので、こんな貴重な環境を手放したくないというのもあって、、、正直、惰性に近いところもあったかもしれません。
しばらくは趣味のゴルフの方が、仕事よりモチベーションが高かった時期もあります。小学校から大学までサッカーをしていたので、スポーツでは負けたくないというプライドがゴルフでは刺激されたんです。一方、仕事では自分より結果を残している同期と比較されたところで、何とも思わなかった。そもそも土俵に立っていなかったからです。
でも、今は違う。本気で勝負し始めたからか、仕事の成果を他のメンバーと比較されるのはすごく嫌だし、負けたくないという気持ちが湧いてきます。今はこれまでの遅れを取り戻そうと必死です。上司も「ここまでおまえが変わるとは思わんかった」と言っていますが、僕自身も生まれ変わったような感覚があります。
最近、部下を持ったこともいい作用として働いています。しっかりせなあかんなという気持ちが出てきたことで、ルーズな部分もなくなってきました。僕と同じ道は辿ってほしくないという一心で、言うべきことは口酸っぱく言うようにしています。
プライベートは何をしている?
休日は、会社の後輩たちとサッカーやゴルフを楽しんでいます。去年からハマっている新しい趣味がウィスキー。製法の仕方や樽の素材によっても、香りや味が変わるのがおもしろいんです。同じモノでもそれぞれの背景や個性を知れば好奇心が湧いてくるのは、仕事と近い感覚かもしれませんね。