実力を評価してくれる場所を求めて

自分の実力を正当に評価してくれる会社__そう、望んでいることを伝え、大学のキャリアセンターから紹介してもらったのが棚田建材。もともと負けず嫌いな性分で、とにかく稼ぎたい、早く出世したいという気持ちが強かったので、2年目になった頃、それまでサポートしてくれていた先輩に「ひとりで仕事をやらせてください」と直訴しました。工事の日程から金銭まで、すべてを自分ひとりで管理しなければならないという“大変な”状況に自分を放り込むことで、早く成長できると考えたんです。
結果から言うと、2年目、3年目と連続して、会社が掲げた個人の売上目標、利益目標を達成。自分に自信がつきました。ただ、当時は俺さえよければいい、というような考え方だったので、組織の中では孤立していたと思います。

役割を与えられることで人は成長する

4年目でいきなり6人の部下を持ったことが、僕のターニングポイントであり、少し大人になったきっかけでもあります。どうすれば人がついてくるんだろう、などと他人のことを考えるようになったんです。
後輩を育てるうえで大事にしているのは、まず自分がやってみせること。自分ができるところを見せて、僕に対する不信感を払拭するんです。だから、問題が起こったと部下から相談されて、内心焦りや動揺が芽生えても、動じたところは絶対見せない。もちろん受け止めきれないところもありますが、組織の最終兵器、秘密兵器みたいな存在でありたいんです(笑)。
そんなふうに僕が変われたのも、「部下を育てる」という役割と責任を与えられたおかげです。棚田建材では早い段階から部下を持たせることで、たとえ小さくとも組織のトップであるという自覚を促し、人間的な成長につなげています。つまるところ、先輩後輩互いを刺激し合うことが、よい組織を作るための一番いい方法だと思いますね。

この仕事に向いていない人はいない

僕の感覚では、もともと施工管理の仕事に向いている人はほとんどいません。じゃあ、その人たちが結果を残せないかというと、そんなことはない。個々に合ったルートで徐々に「向いていく」ことができるのがこの仕事の魅力かなと。いろんな方法で自分に「向いている」ようにできる幅のある仕事なんです。
極論、意欲があれば誰でもこの仕事ができると思うんですよ、精神論のように聞こえるかもしれませんが。僕もゼロからのスタートだったし、頭がいいわけでもない。工事部を率いる僕らの役目としては、どんな人でも「向いている」ようにして、一人前にすること。理想論かもしれないけれど、その目標は追い続けていきたいですね。

※インタビューを実施した2020年当時の内容と役職です。