「2025年10月インタビュー実施」
「先輩に褒めてもらいたい」から始まった
棚田建材はキャリア3社目。前職の総合商社では営業として結果を残せていたものの、毎日長い業務時間が続く中で、闇雲に時間だけを浪費して目指すべきものが分からなくなっていたんです。それをきっかけに転職を考え始めた中で出会ったのが棚田建材。選考過程では面接の回数も多く、僕の人間性や中身をよく見てくれていると感じて好印象を持ちました。
ただ建築業界で働いた経験はなく、明確なビジョンや目標もない。「営業なら結果を出せるだろう」という根拠の乏しい自信だけが頼りでした。だから1年目から2年目の序盤は、業界や仕事感を知るために、毎日現場に足を運んではお客さんからお叱りを受けながら学ばせていただくことの繰り返しでしたね。
営業マンとして仕事をより楽しく感じ始めたのは、本格的に営業の仕事を始めた2年目の途中からです。上司が担当していたすべての案件が僕に引き継がれ、担当案件が一気に増えたとき、燃えるものがあったんです。
そう思えたのはたぶん、尊敬する先輩のおかげです。自分の成果が賞与に一定程度反映される仕組みもありますが、それ以上に励みになったのは、僕が契約を取るたびにその先輩が本気で喜び、祝福してくれたこと。先輩に褒めてもらいたいという目標が日々の原動力になり、「仕事に真摯に向き合えば、成果やお客さんからの信頼、自分の存在意義といった“報酬”を得られる」と体感できるようになっていったんです。
辞めたいと思ったことは一度もない
よほど恵まれた境遇にない限り、仕事はやらなければいけないもの。だとすれば、本気で取り組んだ方が人生は充実すると思うんです。営業でいえば、できるだけ訪問回数を増やして成功確率を高めるなり、トークの切り出し方を考えるなり、創意工夫を凝らせば結果につながるし、それが新たなモチベーションを育てていく。
私の担当はほぼすべてが新規開拓で、確実にいただける案件はほとんどない厳しさも、燃えられる要因のひとつだと思います。どれだけ丁寧に関係を紡いでも契約を取れないこともあれば、逆に疎ましがられるほど訪問したところから、半年後に突然注文をいただくこともある。気の緩みや怠慢は即結果にはね返るので、常にいい緊張感を持って仕事ができるんです。
もともとは「本気で仕事をしたくない人間」だったのですが、そういう環境に慣れたおかげで「仕事をしていないと物足りない人間」になった感覚はありますね。だから時々、大学を再留年する夢と棚田建材をやめて前職に戻る夢をいまだに見るんです。ハッと目が覚めたとき、夢でよかったと胸を撫で下ろすんですが、今、自分の手の中にある幸せを絶対に失いたくないという深層心理が働いているんでしょうね。
実際、これまでの5年半で会社に行くのが憂鬱だと思ったこと、辞めたいと思ったことは、一度たりともありません。むしろ外回りをしていて嫌なことがあれば、早く事務所に帰ってみんなに話したいという気持ちになるくらい。
部下を持つ立場となった今は、僕が味わってきた仕事の喜びを後輩たちに知ってほしい気持ちが強いですね。苦楽を分かち合いながら一緒に年を重ねていって、昔の思い出話に話を咲かせられるような関係が理想です。いずれは、営業所を束ねられる人間になりたいと思っています。
結局、棚田建材に入るまでの僕は「仕事も本気で取り組めば楽しい」ことを知らなかっただけなんでしょう。仕事ではそういう喜びは得られないと勝手に決めつけて、自分で扉を閉ざしていたんだと思います。
プライベートは何をしている?
平日は仕事ばかりし、土日は趣味に多くの時間を割いているので、妻や子どもたちと過ごせる時間は限られています。だからこそその時間を大切にしたいと心から思えるし、何よりの癒やしを与えてくれるんです。