建築施工管理技士Hです。

創業71年、一貫して「防水の専門家集団」として数多くの建物を水から守ってきた棚田建材。
今回は、シーリング工事についてのハナシです。

シーリング工事とは「建物外壁の継ぎ目」や「外壁とサッシの隙間」など、動きの多い目地または
隙間などに接着性・柔軟性のあるゴム材を充填する工事です。
シールやコーキングと呼ばれる事もあります。

目地や隙間部の水密性を確保し、地震や強風を受けた時に、目地の動きに追随、
伸び縮みをし、建物を漏水等から守ることがシーリングの主な役割です。

外壁のつなぎ目やサッシ廻りに使用されることの多いシーリング材は、
年数が経つことで硬化してひび割れやすくなります。
雨水やほこりなどの汚れは、ほんのわずかな隙間からも侵入します。
見た目には異常がなくても、サッシと壁の間や外壁目地のわずかな隙間が
雨漏りの原因になるケースも珍しくありません。

改修工事で用いられるシーリング材としては主に5種類あります

■ポリウレタン系…耐久性があるが紫外線に弱く、塗装や防水を被せる場所で使用する
■変成シリコーン系…対候性・柔軟性に優れ、金属類への使用も可能
■ポリサルファイド系…対候性・強度があり、汚染しにくいためタイル面などで使用する
■アクリルウレタン系…耐久性・柔軟性あるが紫外線に弱く、塗装との付着性が高い
■シリコーン系…対候性・耐熱性に非常に優れガラス面に使用されるが、撥水汚染が起きやすいため
 塗装面やタイル面には使用しない

これらを施工部位の用途や仕上げによって適正に使い分けます。
間違った材料を選定してしまうと、性能を発揮出来ないだけでなく早期の劣化や
仕上げ材の汚損を招く事になってしまうため、注意が必要です。

また適した材料を選定したとしても、適正に施工が行われていないと意味がありません。
そこで大規模改修工事でシーリング打ち替えを行った後に、
シーリング材の付着力や伸びが基準を満たしているかの試験を行います。
ひも状接着試験と呼ばれる試験で、以下のような流れで行います。

① まずカッターでシーリング材を切断し、印線を付けます。

② 次に、手でひも状のシーリング材が破断するまで引っ張り、伸び率を確認します

③ シーリング材が破壊される長さを測定し、その破壊状況を確認します。

ここで、シーリング材自体の破壊(凝集破壊=CF)や、
被着面にシーリング材の薄層を残しての破壊(薄層凝集破壊=TCF)で、
メーカー既定の基準値を満たしていれば、試験は合格となります。

大規模改修工事においても、ひとつひとつの工事に様々な基準があり、
それらを満たして建物全体の性能が維持されることになります。

棚田建材では、防水工事だけでなく外壁の調査・診断から
適切な補修・メンテナンスをご提案致します!

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