建築施工管理技士Hです。
創業71年、一貫して「防水の専門家集団」として数多くの建物を水から守ってきた棚田建材。
今回は、外壁タイルについてのハナシです。
外壁に用いられるタイルは、陶器もしくは磁器で出来た小片の外装材です。
タイルは高温で焼き固められているため強度があり、長期において色褪せ
がしにくいなどの高い耐久性があります。
またデザイン性にも優れ、メンテナンスも比較的容易と言われます。
タイルと建物(躯体)との接着にはモルタルや弾性接着剤が用いられます。
建築当初のコストはかかりますが、意匠性と機能性が求められるマンション
などの建物に多く用いられます。

タイル自体は耐久性が高い材料ですが、躯体との接着に使われるモルタルが
劣化や、施工時の不具合などでタイルの「浮き」が発生することがあります。
一度タイルが浮いてしまうとそこから雨水が侵入し、浮きの範囲が広がって
漏水の原因になったり、最悪の場合はタイル自体が剥落してしまったりする
恐れがあります。
そのため、外壁改修や大規模修繕工事においては、外壁面の打診調査を行い
タイルの浮きや割れがないかを確認します。

打診調査によってタイルの浮きが発見された場合には、①張替え工法か
②アンカーピンニング樹脂注入工法を状況に応じて選定されます。
厳密には、浮きがタイル片だけなのか、下地のモルタルごと浮いている
のか、浮きの範囲の広さや、剝落の危険度などを勘案して工法を決定します。
工法①の張替えは文字通り浮いているタイルを撤去して新しいタイルを
張替える工法です。
今回は②のアンカーピンニング樹脂注入工法についてご紹介します。
まず、補修範囲を明らかにするため打診調査を行い、浮き部分を
マーキングします。
そして浮きの状態に応じて注入孔の配置を決定します。

つぎに注入孔部分をコンクリートドリルで孔をあけ、清掃します。

穴あけが終わるとエポキシ樹脂を注入にし、さらにネジ付き
ステンレスピンを挿入します。

最後に孔部表面の仕上げを行い完了です。
このようにエポキシ樹脂とアンカーピンで浮いた部分を
固定することで剝落を未然に防ぐことが可能となります。
施工の際には穴あけの騒音が発生してしまいますが、
建物と何より住人の方の安全を守るために必要な工事と
言えます。

棚田建材では、防水工事だけでなく外壁の調査・診断から
適切な補修・メンテナンスをご提案致します!

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