建築施工管理技士Hです。
創業71年、一貫して「防水の専門家集団」として数多くの建物を水から守ってきた棚田建材。
今回は、建物外壁の補修についてのハナシです。

マンションや学校などで多く採用される鉄筋コンクリート構造(RC造)の建物は、主に柱や梁、床や壁が鉄筋とコンクリートで構成され、鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込んで固めて建設されます。

RC造の建物は高い耐火性と耐久性を持っていますが、経年や地震などの外的要因、建築時の設計・施工不良などによってひび割れが発生することがあります。
表面的な幅0.3mm程度のひび割れ(ヘアークラック)であれば、そこまで心配は不要ですが、
幅0.3mm以上、深さ5mm以上のひび割れは構造クラックと呼ばれ注意が必要です。

ある施設の管理者から、柱にひび割れがあるので見に来て欲しいとの事で現地に向かうと、柱の一部が今にも落下してしまいそうな状況でした。
幸い直下に人が通る場所ではありませんでしたが、万が一に備えて下部を立ち入り禁止にしてもらい、すぐに補修の段取りをしました。

実際にひび割れ部分を撤去してみると、内部の鉄筋が錆びた状態で露出してしまう状態で、ひび割れから雨水が侵入し、内部の鉄筋を錆びさせ膨張してさらにコンクリートを外側に押し出す「爆裂」という状況になっていました。
コンクリートは本来アルカリ性ですが、ひび割れから水分や空気が侵入してアルカリ性を失う
「コンクリートの中性化」という状態になり、内部の鉄筋が錆びやすくなってしまいます。

もろくなったコンクリートを除去し、鉄筋の錆びを落として防錆効果のある補修用プライマーを塗布します。

そして軽量で耐久性の高い補修用のエポキシ樹脂モルタルを充填して成形していきます。

最後に既存の塗装に合わせて表面の模様を肌合わせして塗装を行い完了です。


今回はひび割れからコンクリートの剝落に繋がる事例をご紹介しましたが、ここまで至らなかったとしても、ひび割れからお部屋の雨漏りに繋がる場合もあります。
もし建物に気になるひび割れを見つけた時は放置せずに専門家に確認する事をお勧めいたします。


棚田建材では、防水工事だけでなく外壁の調査・診断から適切な補修・メンテナンスを
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