建築施工管理技士のOです。
今回ご紹介するのは、兵庫県H市にある金属屋根の屋上にゴムシート防水を施工した現場のハナシです。金属屋根に対して施工可能な防水工法は様々にありますが、屋根の形状や劣化状況、各防水の利点などから防水工法の選定を行います。
よく聞くお声としていくつか例を挙げると、
- 劣化状況として発錆、劣化(雨漏りなど含む)が見られる。
- 塗装工事による景観維持目的にとどまらず、防水性能を持たせることで長期保全を行いたい。
- 元の形状、景観を維持したい。
- 瓦棒葺きの金属屋根である。
- カバー工法など荷重がかかる仕様は避けたい。
これらの条件を満たす工法として、今回の工事ではゴムシート防水が採用されました。
金属屋根仕様ゴムシート防水の特徴として、
- シート状の成形品であるため、均質な防水層を形成できます。また瓦棒ライン専用の成形品があり、金属屋根に適した仕上がりになる。
- 耐久性・耐候性・耐熱性に優れている。
- 防水層は下地の挙動に追従し、錆の進行を防ぐための防錆特殊プライマーがある。
- 防音・制振効果があり、高反射塗料を利用した室内温度の低減効果が見込めることで居住性が向上する。
以上のような特徴があげられます。
実際の施工風景をご紹介します。
【施工前】随所に発錆が見られます。
【施工完了】景観を維持したまま無事完了しました。
施工工程
【プライマー塗布】防錆効果のある金属対応プライマーになります。
【ボンド塗布】
【各所取合 補強張り】棟取合い及び役物周辺等に補強を行います。動きが異なる・負荷が大きい場所などはこのように補強を行うことで、防水強度を確保します。
【端部補強テープ張り】
【シート張り】
【シート転圧】
【瓦棒葺き山部 キャップ取付】
下地に対してしっかりと密着するよう(空気・シワのない)転圧作業を行います。 瓦棒葺き山部はそれぞれ長さが異なりますが、事前に1本ずつ長さを測り、すべて特注にて生産・施工を行います。
【瓦棒葺き谷部 シート張り】
【瓦棒棟取合 補強張り】
【トップコート塗布】
通常はRC造・コンクリート面などに対して施工することが多いゴムシート防水になりますが、このように金属屋根の下地に対しても施工を行うことが可能です。ただシートを張るだけに見える工事ですが、張り方ひとつでも注意するポイントが随所にあります。少しでも長く、長期的に防水層が維持できるように様々な工夫を行っています。
棚田建材では、防水工事だけでなく外壁の調査・診断から適切な補修・メンテナンスをご提案致します!各種外壁・防水改修、大規模修繕工事のご相談はお気軽にお問い合わせください。