建築施工管理技士Sです。
今回は、ごく小規模な現場を除き工事を実施するにあたり作成が必要になってくる「工程表」について、これまでに経験・作成した現場の工程表を例にご紹介します。

工程表とは何か?と申しますと、あらかじめ定められた全体工期の中で必要となる各工種・各作業の日数を当てはめ、工事に先立ち、表として明確化したものです。

 工程表の種類としては、
・バーチャート工程表
・ガントチャート工程表
・グラフ式(曲線式)工程表
・出来高累計曲線
・ネットワーク工程表

上記5種類が主となりますが、今回はそのうち我々が使用する機会の多い「バーチャート工程表」「ネットワーク工程表」「出来高累計曲線」の3種類に関して、使い分け方を含めてご説明させていただきます。

まずはバーチャート工程表に関してですが、縦軸に作業箇所・区間や作業項目を、横軸に日付を記載したうえで、各作業内容を棒状で工種ごとに色分けし、実施日の記載をする工程表となります。

こちらに関しては工程の作成が容易かつ単純で、また建設業以外の方の視点においても内容が把握し易いので、工事用掲示板等に掲示し、第三者にも見ていただく必要のあるマンション大規模改修工事等で主に使用することが多い工程表です。


 また「ネットワーク工程表」は、縦軸・横軸の見方に関してはバーチャート工程表と同様ですが、各作業内容に関しては〇と矢印・曲線等を使用する工程表です。

慣れない方はごちゃごちゃしてしまい見辛いかもしれませんが、各作業間の関連性や業種ごとの工程の流れ、また事故や業者間のトラブルに繋がりやすい輻輳作業(一つの作業箇所で複数の業種が作業を行うこと)が発生する箇所を1枚の用紙で視認できるため、業種や施工箇所が多く内容が複雑で、かつ工事関係者のみが主に閲覧する新築工事や内外装含めた改修工事で主に使用することが多いです。

 またもう一つ、「出来高累計曲線」ですが、横軸に関しては他の2種類同様に日付を記載しますが、縦軸に関しては工事の完成を100%とした進捗率(工事の進み具合)を、折れ線グラフ形式にて記載する工程表です。

こちらに関しては単独では工事の流れが把握できるわけではない為、他の工程表と組み合わせて使用することが多いです(添付はネットワーク工程表と組み合わせたものです)。当初予定と実際の進行具合を2本の曲線で記載し比較することで、予定に対し工事がどの程度進んでいるか・遅れているかを一目で確認できます。そのため現場事務所に掲示したり発注者様への進捗報告等に用いたりすることが多い工程表です。

 以上、棚田建材ではこのように状況に応じた工程表を作成・使い分けし、工程管理をすることで各作業に対し適切な人員・工程計画を行い工期短縮・段取り忘れの防止に繋げ、可能な限りお客様の要望される工期に間に合わせるよう尽力しています!

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