こんにちは。
春は出会いと別れの季節ですね。
というわけで、今月、私が別れることになりました。
ブログ担当も最後になりますが、
少し自分のことについて書かせていただきます。
棚田建材に入社するちょっと前、
ワーキングホリデー(以下、ワーホリ)という制度で
海外に住んでいました。
その滞在期限直前、自分は今後どうするか悩んでいました。
当時飲食店で働いていた自分の担当は閉店前の掃除。
掃除が終わった後はオーナーとの会話が日課でした。
このオーナーさん、すごい経歴で、
昔はホテルのコンシェルジュ。
マイケルジャクソンの部屋に唯一入れたのは彼女、
ということもあったようです。
そのシェフと息子さんがやっている
和気あいあいとした楽しい店でした。
仕事後に話す内容はいつも決まって
今後S(自分)はどうするのか。
そのことを毎日優しい口調ですが
問い詰めるように質問されるので、
その都度深く考えさせられ、
自分にとっては苦しい時間でした。
「ワーホリ終わったらどうするの?」
「今度は別の国に行きたいと思ってる」
「そこに行ってどうするの?Sさん、
はっきり言うけどあまり英語もうまくない
あなたがもう一年海外に居てどうするの?
何があなたの幸せなの?」
‘何があなたの幸せなの’
この言葉がいつも反芻されて、考えさせられる日々が続きました。
そんな折、そのシェフが病気で倒れて入院。
年末の忙しい時期を息子さんが頑張り、
なんとか乗り切りました。
息子さんは僕よりだいぶ年下でしたが、
シェフは自分の父親と同じ年齢で、
その人が倒れる、自分より年下の人が店を切り盛りする、
その姿をまざまざと見てせつけられて、
あらためて’何が自分の幸せか’を考えました。
そして、「家族を安心して幸せに過ごすことができるようにすること」が
自分の幸せだと思いました。
独身の自分ですが、それがきっかけで実家に帰り
家業の防水屋を手伝うことにしました。
その後、縁あって棚田建材の社員の方と出会い、
いつかは実家に帰って、家業を継ぎたいと思っていることも率直に話し、
それでも自分を正社員として受け入れると
言って下さったのです。
この3年間、他の社員と全く遜色なく接してくださって、
社長を始め、関係者の方には感謝しきりです。
おそらくもう一年海外に居たら、この縁はきっとなかったことでしょう。
色々悩みましたが、当初から目途としていた期間が経ち、
この春卒業させていただきます。
また会う機会もあると思います(夏はさけます)が、
一区切りです。
お世話になった材料メーカーの方、職人のみなさん、
そして何よりお客様に心よりお礼申し上げます。
そして、3年半と短い間でしたが、
こんな自分を仲間として受け入れてくれた、社員のみなさんへ。
本当にありがとうございました。
(棚田建材 S)