後ろめたさを感じながら仕事をしたくなかった
就活中、もともと志望していた金融関係の仕事から方向転換したのは、自社の利益を確保するためには、採算が取れないであろう会社には貸付をやめる、といった話を聞いて矛盾を感じたから。他の業界も調べてみたものの、同じようなところで引っかかったあげく、自分の将来が見えなくなりました。そこで頼った大学のキャリアセンターから紹介されたのが棚田建材。漏水を未然に防ぐための防水工事は「本当に必要としている人たちに技術を提供できる仕事」として、社会的な意義を感じたんです。今にして思えば、心のどこかで後ろめたさを感じながら仕事をしたくなかったんでしょうね。就任間もない社長から「これから会社を大きくしたい」と聞いてワクワクしたことも入社を決めた理由のひとつ。当時、まだ面接を担当していた社長とゲームの話で30分ほど盛り上がったところも、興味を惹かれたポイントです。
新たな自分を作り上げる“修行”
学生時代は運動部に入るも長続きせず、同好会やサークルのような楽しい雰囲気を好んでいた身。オープンキャンパスの運営に携わっていた大学時代、一番楽しかった思い出は「本音トーク」というイベントを主催したこと。高校生向けに大学生のリアルをぶっちゃけるというテーマで実施したところ、アンケートでは「おもしろかった」との回答が全来場者の3~4割を占めるほど好評だったんです。
そんな生き方をしてきた僕にとって、タフさや根気が求められる施工管理の仕事は、新たな自分を作り上げるための“修行”でもありました。ちなみに、入社当初はヒョロヒョロだった僕の社会人生活は、器具を買って筋力をつけるところから始まりました。(笑)当時の僕は、みんなが片手で軽々と持ち運べる20kg程度の一斗缶を両手で抱えなければならないほどひ弱だったんです。
(管理業務なので、ずっと力仕事をするわけではありません)
上司のおかげで、この会社に留まった
ようやく仕事に慣れてきた感覚を得たのは、3年目に入った頃でしょうか。短くとも3ヶ月、長くて1年以上の時間をかけてお客さんや職人さんと関係を構築していくおもしろさを感じつつも、実はある時期、自分自身の限界を感じて、離職したいという思いに至ったことがありました。
その意向をメールで、直属の上司に伝えたところ、何度も電話をかけてきてくれたのですが、出る気にもなれず、メールだけで済ませようとしていました。すると上司から「このまま何も話せなくて終わるのだけは嫌だ」というメッセージが送られてきたんです。結果的には、その言葉が僕をこの会社に引き留めました。これまで築き上げてきた関係を壊してしまうのは嫌だし、このまま辞めたらずっと後ろめたい気持ちを抱えながら生きていくことになるだろう。そんな気持ちも芽生えたことが再起のきっかけとなり、目の前の壁も乗り越えることができたんです。
営業職へ、新たな挑戦
今年の1月からは、もともと「向いている」と言われていた営業の仕事に携わっています。
営業部で“セカンドキャリア”を始めた今、拡大していく会社の中核となる人材になることが目標です。いろいろとくぐり抜けてきて思うのは、若い世代が多く、仕事で溜まったストレスを吐き出しやすい環境がこの会社の魅力だということ。工事部を統括しているマネージャーも30歳くらいで、同じ目線に立って、気持ちを理解してくれるのはやっぱり大きい。そんな会社だからか、歳が離れた人たちも若い世代への理解が深いように感じます。